2000年12月のお手入れ品

色無地の楽しみ

綸子白生地

今回は、白生地から染め上げた色無地紋付きをご覧に入れます。

着物好きの方に「色無地」のイメージをうかがうと、多くの方が“自分の思った色と違って、出来上がるまでが不安”とおっしゃいます。トラブルを避けるため、別染めを取り扱わない呉服店も多いと聞きます。

そのためか、世間には味も素っ気もない色無地が氾濫しています。お茶会で見かける細かい地紋や縮緬の色無地は、ほとんど既製品と言っても過言ではありません。

「染物は水物」と言う言葉があるように、同じ色でも生地やその日の天候によって違って染まるほど、本当に微妙な作業なのです。
染め出しには勇気が必要です。当店は創業以来、それを続けてきました。

加工後

色無地紋付き

染め出し作業は、地模様を考えながら生地の見積もりをして(墨打ちといいます)紋の位置に糊を置くことから始まります。私は修業中に教わりましたが、ほとんどのお店は職人さん任せです。

次に色を決めて、染物職人さんに依頼します。色合わせのノウハウは、仮に日本一の職人が染めても完全ではありませんが、確かにあります。
優れた色見本、美術品を多く見て目を肥やすこと、後は年期がものをいいます。最終的にはその呉服屋のセンスが出ますので、言い換えればテストのようなものです。

今回は黄緑色に染まりました。(写真の色は実物よりかなり地味です)染め抜き紋は手書きの上絵で「源氏車」。

日本中で一枚しかないオリジナルの色無地が出来上がりました。

今年もご覧いただきましてありがとうございました。
どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。

呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者   三輪 一夫

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