2001年10月のお手入れ品

親子3代のよろこび

四ッ身訪問着紺地花の丸

昔から着物は「親子三代、着られる」とよく言います。しかし、実際は保存が悪かったり、加工が良くなかったりする事も多く、幸運な品物に巡り会うことはなかなかありません。

これは、今から80年ほど前に作られた、紬の上に友禅がしてある子供用の着物(四ッ身)です。裏地はモスリン(毛)で、表地も100ヶ所以上の白い点があります。(お客様の近所のお店で洗った時に、染料が落ちたようです。)

今回、8才のお孫さんがお正月に着られるように、残り布を足して全体を大きくしてほしいとのご依頼を受けました。

表地の洗い張り後、白い点を濃紺の染料で補正していく作業に取りかかりました。

加工後

四つ身訪問着加工後

加工も無事終了して八掛は朱赤の無地と決め、仕立てに掛かろうと思いましたが、ここで難問にぶつかりました。

製作当初に衿を背中の部分から取ってあるため、裄が長くなりません。また、衿巾も狭いため生地が足らず、おくみも出来ません。

色々考えた末に袖と身頃を入れ替え、下前のおくみは見えないところに別染めした紺の生地を足し、衿も縦に接いで何とか事なきを得ました。
その際も、全体の「花の丸」のバランスとその流れを常に考えていましたので、出来上がってみるとつぎはぎを全く感じさせない仕上がりとなりました。

名古屋の呉服店での修業中、今は亡きオヤジ(故 堀場氏)からたたき込まれたことが本当に役立っています。実にありがたいことです。

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