2001年12月のお手入れ品

男物の誇り

本場奄美大島紬男物

ホームページ開設以来、数多くの依頼を受け、ご要望に沿ってリフォームをして参りましたが、残念ながら直せない品物もたくさんありました。その一番の原因は裄の不足、つまり生地の巾が狭いことです。

以前にも書きましたように、着物は大正から昭和初期に全盛期を迎えた為、女物では生地巾や長さが身長150~155㎝の方に向くように出来ています。巾一杯の長さに仕上げても手首がすっかり出てしまう場合、断念せざるを得ません。

その点、男物には一筋の道が残されています。袖に「割り」を入れることです。
相撲の関取衆は力強さを見せるため、好んで入れたともいわれています。入れる位置は脇の下。写真の白大島は並巾ですので、比較していただければ男物大島の袖巾が広い事がおわかりいただけるかと思います。

趣味の良い長襦袢

男物羽二重長襦袢

羽二重白茶色に蟹籠模様、上の本場大島の着物に合わせる男物襦袢です。

長襦袢の柄は無地やぼかし、水墨画等の堅い柄から浮世絵などの柔らかい物まで様々です。しかしながら、このように格調と品の良さを兼ね備えた品物は数少なく、なんとも言えない雰囲気を醸し出しています。 この長襦袢も袖幅が足りずに、見えない所で接いであります。

本場大島は一生の財産です。また、お洒落な方は見えない所つまり裏地に凝ると言います。

明らかに人に見せることを意識した柄付け。これをお召しになって宴席に出かけられたであろうお客様のお父様は、さぞ芸者衆に人気があったのでは。

今年もご覧いただきましてありがとうございました。皆様のご依頼から生まれたこのページを、来年も続けて参りたく存じます。
どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。

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代表者   三輪 一夫

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