2001年4月のお手入れ品

あつらえの色無地2

松皮菱ベージュ色無地

昨年12月にも取り上げましたが、今回は格調のある地紋に巡り会ったので、再び色無地をご覧にいれます。

良い着物の基準は何か、日本画にも共通するなかなか難しい問題ですが、一つは描かれているものの立体感、つまり奥行きがあるかどうかだと思います。
最近は留袖や訪問着などでもプリント式(=印刷の様なもの)が多く、どうしても図柄が平面的になるため、金箔で補っているものを多く見かけます。あたかも打ち上げ花火のように光り輝いていますが、すぐに底が割れて薄っぺらな感じしか残りません。

左の写真は、家紋にもある「松皮菱」という地紋の白生地をベージュ色に染めた、無地の着物です。(撮影の都合で あえて左前です)
見ていただくと分かるように生地が、1バックの砂子、2松皮菱、3その間の陰の菱(部分)と3段階になっており、お召しいただくと盛り上がって見え大変引き立ちます。その重厚さは既製品では足元にも及びません。
ただ、飛び柄を染める場合は裁ち合わせも非常に大切です。上前、胸、肩に柄が出揃う事はまれで、どう出そうかと何時も思案の連続。

残念ながら、流水や道長、華紋等々好みの柄が年々減り、味のない生地が氾濫しておりますが、これからも日本中で一枚だけの色無地にこだわって行けたら幸せです。

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