2001年9月のお手入れ品

名古屋帯 柄の調整

刺繍名古屋帯

いよいよ秋、着物姿が映える季節となりました。今月からまた気分も新たに参りたいと思います。

これは、ちりめん地総刺繍の桜模様名古屋帯で、かなりの豪華版です。
ご覧いただいても分かるように前帯がとても短く、又、たれ先に柄がないのに何故か手先には花が一つあり、しかもほとんど出ない位置です。

正直なところ、お預かりした時は実に不思議な帯と思いました。

付け帯でも良いから何とか普通の名古屋帯にして欲しいとのご要望で、解いた後、しみ抜き洗いを施しました。

加工後

刺繍名古屋帯 桜模様

洗いが終わった帯を見て謎が解けました。
この帯は逆に仕立てをしてあったのです。

そうなると今度は、二つ折りの前の柄を太鼓にしなくてはなりません。折れ目の筋はうまく消えるでしょうか?
1メートル少々の裏地も必要なので、似たようなちりめん地を捜して京都で同色に染めました。 そして、お太鼓と前帯の中心を決め、過不足の所は調整して仕立屋さんへ。

自分で言うのも何ですが出来上がってきた帯を見てびっくり。反物の状態で全力を尽くして仕上げた品物は、不思議なことに仕立て上がると又一段と良くなるのです。
太鼓の柄も豪華になり、うまくできたと思います。

お花見の時期に 桜色の無地の上に締めて頂きたいですね。

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