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2002年4月のお手入れ品

黒の威力

訪問着桐模様

着物に色をかける作業を 私たちは 「色揚げ」と呼んでいます。柄や定紋を糊で伏せて 染料が染み込まないように 細心の注意を払いつつ 新しい色に染め上げます。

しかし、地色にシミやムラがある場合 中間的な色をかけても隠しきれない場合も多く、さて どうしたものかと困り果てます。そこで、最後の手段として 黒地に染め変えようということになるわけです。  

今回も 薄い青磁色は 色やけで ぼかし染めの様な状態。

「色の白いは七難隠す」と昔から言いますが 着物の場合は 「黒」、果たして今回は 上手に隠すことが出来るでしょうか。

加工後

桐模様訪問着黒地

「色揚げ」では 染めてから伏せ糊を取ると 柄の輪郭の外側に 元の地色が残ります。これを新しい地色で 埋めていく作業も 大変重要です。

お客様には ご理解いただけないことも多いのですが、想い出のあるの着物を直すのは、新しい物を作るのと同じか、それ以上の手間と 注意が必要なのです。

この訪問着は 今から30年前にお納めした 桐の模様で、ご覧いただいても分かるように 刺繍がたっぷり入っています。

黒のパワーで どうやら、難が隠れたようです。


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