2002年8月のお手入れ品

ビギナーズラック

今月は夏休みを頂きまして、リフォームのページは休ませて頂きます。

トップページにもありますように、都内近郊のご家庭や式場に出張着付けに伺うシステムを始めて、2年余りが過ぎました。着崩れせずに夕方まで着ていても苦しくない、食事も楽な着付けは皆様に大変喜んでいただき、スタートさせて本当に良かったと思っています。

世間一般で着付けの評判の悪さは、惨憺たるものがあります。息苦しい、首が回らなくなってきた、頭が痛くなった、飲めない食べられない、トイレにも入れない等々、仕事で携わっている我々が聞いているのが恥ずかしくなるほどひどい状態です。一生に一度の成人式の晴れ舞台で、お金を払ってこんな仕打ちを受けては、着物は素晴らしいですよといくら薦めても着物嫌いになるのが当然の成り行きでしょう。

その原因はただ一つ、着付け技術者が普段全く着物を着ていないこと、また、お互いに着せあっていない事にあります。とてもプロとは思えませんが、とにかく着崩れを恐れて、長襦袢の紐は肌に跡が付くほどきつく締め、着物の紐も同様。帯もぎゅうぎゅう締め上げる。確かにかっちり仕上がり、着崩れの心配は皆無でしょうがマネキンでなく生身の人間です。晴れ舞台の日のその苦しさは、子供、孫まで語り継がれる始末。

最近、お母様の振袖を成人式に着たい方が急増しています。お手入れを承って仕上がると、何時も私は申しあげるのです。「この振袖をお召しになって、是非お友達の結婚式の受付をなさって下さい」と。受付に着物姿があると会場が大変に華やぎます。また、出席者全員に注目され、特に独身男性はよく見ています。その上、作業はにこやかにお辞儀をして、ご祝儀を受け取るだけ。こんなに簡単に自分をアピールできる場所は、他にありません。その時、上手な着付けであれば楽な上、皆様から「とてもきれいね」「素晴らしいわ」と誉められ、ご本人は“天にも昇るいい気持ち”になるでしょう。そして、お母様に心から感謝するに違いありません。

その昔、お納めした振袖を、お客様が親戚のお嬢様にお貸しされました。お嬢様はお茶会で、着物姿を、さる会社の社長に気に入られ「息子の嫁に」となりました。話はトントン拍子で進み、現在、2代目社長夫人となっています。しかし、この着物はご自分のものではなかったのでちょっと汗をかいたと、笑っておられました。

いい着物を上手に着ることは、幸せを呼び込みます。隣り合わせた人や周りの人も、いい気分になります。私は、これからも着付けの先生と二人三脚であちこちに出向いて行くでしょう。
布教に向かう宣教師のように。

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