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2003年2月のお手入れ品

袖裏の心遣い

古い袖裏の写真

最近、ご相談で多いのが 「胴裏が薄茶色に変色していますが しみ抜きできますか」 というものです。残念ながら この色は しみ抜きぐらいではびくともせず、ひどくなると 表地まで変色させる 悪さをするカビなのです。つまり 仕立て直しで 取り替えるしかありません。

この裏地は 白絹(しろぎぬ)と言い 織った後の仕上げに 澱粉のりの様な成分を使っています。父親の話では 昔 この生地を扱うと 紺のズボンが白くなったそうです。  

左の写真を見ていただくと分かるように 現代の裏地の白色とは大違いで ベージュに染めたような状態になっています。裄直しを承ったのですが 袖の仕立て直しを お薦めしました。

さて、その理由とは。

加工後

新しい袖裏

それは 裏地の変色が軽くて 袖裏だけ新しくすると 着たときに 新調した着物に見えるためです。

袖の振り口(右写真の白い所)は 皆さんのご想像より はるかに目立つのです。ここが黄ばんでいると どうしても 時代がかって見え 逆に真っ白であれば 胴が黄ばんでいるなどとは 誰一人想像しません。胴の部分は 見えないも同然なのですから。

もちろん 全て交換するのがベストですが ご予算等の事情もあるでしょう。

ただ、このサービスは 他ではあまり聞きません。しかし、私は このような気配りこそ お客様に喜んでいただけるものと 確信しています。


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