2003年9月のお手入れ品

ぼかし合わせ

菊模様ぼかし訪問着

薄い地色の訪問着は、どなたにも良く似合って大変人気があります。しかし、地色ゆえに汚れやシミが目立ち、放置しておくと変色で着られなくなってしまう場合も多々ある品物です。

左の訪問着は、薄い水色とワイン色をぼかした状態で染め分けたものですが、30年の時が経ち、水色は色あせてしまい浸みも多く、かなり傷んでしまいました。

柄を伏せて濃い地色にすれば話は簡単ですが、お客様のご希望は、このイメージをなるべく変えないで欲しいというもの。

なかなか難しいご注文ですが、三輪屋の腕の見せ所でもあります。さて、どうしましょうか。

加工後

ぼかし合わせ菊訪問着加工後

出来上がった写真だけ御覧になると「なあんだ」と思われるかも知れません。しかし、色あせやシミの多い生地に色をかける作業は、ムラになりやすく、細心の注意と高度な技術が必要になります。

掛ける色にも頭を悩ませ、また、口外出来ない技も存在します。それゆえ加工料金も必然的に高くなり、正直なところ、どなたにでもお薦め出来るものではありません。

しかし、形見の着物がこれしかない、何としても修復して欲しいと言うお客様のご希望には、80年の間、必ずお応えしてきました。

ほんの少しでも「伝統の力」を感じていただければ、幸いです。

呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者   三輪 一夫

Tel&Fax03-3372-0573
mail@gofukumiwaya.com