2007年3月のお手入れ品

自然に従う

ちりめん白地訪問着

先日、小学校の教室でカイコを見ました。

透明なガラスケース一杯の桑の葉を、バリバリと音を立てて食べつくす姿はパワー溢れるものですが、その繭から絹糸が作られて布となるわけです。

ただ、当初の色は真っ白ではないため、漂白して白生地が完成します。ところが、その生地も年数を経るにつれて次第に黄ばんできます。
元の姿に戻るといえば聞こえが良いですが、特に白地の訪問着にとっては重大な問題です。

何か解決策はないのでしょうか。

加工後

クリーム色色揚げ後

自然の力は偉大で、それに比べて我々の力は足元にも及びません。それゆえ、成り行きに任せるしかない場合も多々あります。

以前、取りきれないしみを隠す場合にクリーム色を使いましたが、今回も同じように柄伏せと色揚げを行い、仕上げに傷んでいた金箔を補修しました。

この加工のポイントは何といっても地色の濃度に尽きます。濃くなると全ては台無しと頭では分かっているものの、頼りないような薄い色を指示するのは本当に勇気が要るのです。

少しモダンになったこの訪問着、きっとどこかの街で活躍していることでしょう。

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