2008年9月のお手入れ品

全通と六通

丸帯吉祥模様

松、菊、梅、鶴、富士山に鷹と並べば、代表的な吉祥模様です。

仕立てられてから長い間収納されていた丸帯ですが、表を向いていたのは右側の部分でした。今回は、お手持ちの着物に合わせて、左側の部分を使いたいというご希望を受けました。

ご承知のように、丸帯は表裏ともすべてに柄があり、どんな結び方にも対応できる反面、袋帯に比べて帯丈が30センチほど短いという弱点があります。
それゆえ、白の帯裏地を下巻き部分に足し、上質な薄い帯芯を入れて、両面使いの袋帯に直すことにしました。

さて、どの部分に足しましょうか?

加工後

丸帯富士山に鷹

仕上がり写真をご覧頂くとお分かりのように、たったこれだけのことです。手先部分、1尺5寸(57センチ)のところで 足してあります。

一見簡単そうな作業ですが、つなぎ目は実に密で、ちょっと見ただけでは織柄の切り替えにしか見えません。また、足し布は普通の袋帯巾用ですから、それを表裏合わせて広巾生地に足すのは、かなり技術を要します。

最高級の袋帯芯と、年配ですが優れた技を持った職人の手によってなんとか蘇りました。

模様の鷹のように、縦横無尽に活躍していただければ、ありがたい限りです

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