「振袖の袖丈を詰めて訪問着として着ることができます」 購入されたときによく聞くセリフです。
柄の大きさの関係もあり、すべての振袖に当てはまるわけではありませんが、袖が短くなるように柄の配置を考えている品物も数多く見かけます
左の写真は、金の縫い取りで袖に4匹の蝶を織り込んだ振袖です。普通に切っては柄がなくなってしまいますので、この場合は袖分を解いて入念に縫い跡を消し、ずらして袖を作り直す作業が必要になります。
物差しの間が標準の袖丈(49センチ=1尺3寸)ですが、袖に柄があふれています。
さて、どんな配置を考えましょうか。
柄だらけの袖では息がつまりそうですし、せっかくの柄を出さないのもいささかもったいない。相反したことを成り立たせるには、バランス感覚が必要と思います。
今回のように短い袖で紺のボカシが占める面積が広すぎると、何か重苦しくなります。
また、袖下にも少しの空間が欲しいのですが、下二つの蝶は水平に見ると少し重なっていて、羽根の一部だけが残りそうです。
しばし悩んで名案発見。よい位置が見つかりました。
ところで裁ち落した右下の蝶の、残るはずの羽根の上部分は一体どこに消えたのでしょうか。
それは・・・・・。
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