2018年10月のお手入れ品

舞台裏

扇面模様作り袋帯

いつもとは逆に完成品からご覧ください。
お忙しいお客様のご希望で、作り付け帯にしました。

お太鼓とたれ先の柄合わせも完璧に固定
前帯の柄も、いい所が出るように調整しました。

当初は本体を、手先1尺5寸(56㎝)太鼓4尺7寸(178㎝)胴分4尺8寸(181㎝)に切り分けて、後は仕立て屋さんへ出すだけの比較的容易な作業を予定していました。

ところが、お太鼓と前帯の金色地紙に予想外の茶色のしみを発見
シミ抜き剤を使うと、箔が黒くなってしまうとシミ抜き屋さんからの連絡。
ということは、お太鼓も前帯部分も、現在の場所は使えません。
安請け合いした私は、困り果てて・・・。

加工前

構成段階の扇面模様袋帯

考えた末、繰り返しの模様に目を付けました。
本来の太鼓の奥の部分は、幸いにも無傷

いつもの職人さんに、箔の折れを出来る限り伸ばしてもらって
元のたれ先と同じ部分を、新しいたれ先に設定。
たれ先にある”界切り線”は、無くても問題ありません。
新しいお太鼓との柄あわせもOK。

前帯も、左右入れ替えてシミを内側に隠しました。
そして、残ったのが 元のたれ先少々と手先が少々

お太鼓の巾は30センチ、中は見えません。
これは、お太鼓の陰で接ぐしかない。
出来上がって見れば、目立つ太い界切り線も隠れて、ひと安心。
めでたし、めでたし。

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