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2001年11月のお手入れ品

金彩加工の美

黒留袖雲取りに菊模様

これは 今から20年くらい前 お嫁入りの際に作られた黒留袖です。

この秋 結婚式で着るために 箪笥から出してみたところ 上前の白い雲取りの中が 所々 茶色く変色していました。このままでは着られないので しみ抜きをしてもらえないかと お客様のお友達から ご依頼を受けました。  

調べてみたところ 白いところ(ゴフン染め)の変色はカビで かなり重症です。そこで、部分的に解いて シミの部分を出来るだけ洗い落とし、そこに 金箔をまく事を提案しました。

ご了解を受けて まず 丸洗いしみ抜きから 取りかかりました。

加工後

金箔加工後

ひとくちに 金箔や金砂子を蒔くといっても ただ蒔けばよいというものではなく 箔の色や蒔き方 隠すシミの位置 他の柄とのバランス等々 難しい事がたくさんあります。また 下地の洗いが不十分だと 後からシミが浮いてくることさえあるのです

ですから 職人にとって大切なことは 技術はもちろんですが 絵のセンス 俗に言う 「絵ごころ」があるかどうかです。これは もって生まれた素質もありますが 日頃の心がけ 良いものを見ているかどうかに 大きく左右されます。
残酷な言い方をすれば 駄物を見ていては 一生かかっても かないません。

いい風景 良い絵 素晴らしい音楽等々 直接関係ないものが 微妙にかかわってくるから不思議です。

この着物も 優秀な箔職人の手によって よみがえり 高級感が漂ってきました。
私たちにとって 職人は 宝物です。


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