2001年2月のお手入れ品

抜き染めの面白さ

一つ紋付き色無地

今月は、お手入れ物の中で最も難しい品物の一つと思われる、色無地の抜き染めを御覧頂きましょう。

世間ではよく“染め直し”と簡単に言いますが、「染め直し=色を抜く」ことなので、脱色時に生地がこすれて表面に白い「スレ」が出てくることがあります。
これが難物で、濃い色にしようが柄を乗せようが、斜めに見ると浮いて見えるやっかいなものです。

色無地の場合、初めは薄い色を掛け、次第に濃い色をかけることをお薦めしているのはそのためです。

左の写真は、今から30年以上前に染めた色無地紋付きです。ただ、部分的に色やけして段差があり、このまま色かけしても同じように濃淡が出そうなので、思い切って色を抜いてみました。

加工後

色揚げした 無地紋付き

幸いにもスレが出ず、以前より幾分濃い色に染め、無事に出来上がりました。

色無地の難しさは何か・・・。ひとことで言うと、ごまかしが利かないことだと思います。地模様のみで柄が無く、全体が一色のため、年齢や雰囲気がストレートに出てしまいます。

書にたとえると、一筆一筆の点画をはっきり書く楷書に似ています。もし、おかしな色に染めれば、呉服屋が笑われます。

私と染め職人さんのチームワークで、お客様の満足を創り出す作業はなかなか大変ですが、たとえようもなく面白いものでもあります。

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