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2004年5月のお手入れ品

時代を超えて

訪問着花の丸

白地の着物は 華やかさのある反面 時間の経過につれて 生地の黄変や 汚れが目立ってくることは 避けられない現実です。

左の着物は 今から30年以上前に作られた 訪問着ですが 現在ではもう 織ることが出来ないような 凝った地紋のある白生地をバックに カトレア風の花の丸が描いてある 古典的な 優しい模様の品物です。  

右下の大きな黄色いシミの他にも 全体に点々と汚れが出ており 花の縁に沿った金線仕上げも 傷んでいます。そして ベージュのボカシ八掛けも 表の裾に映っています。

この着物を甦らせる方法は・・・・。

加工後

花の丸訪問着仕上がり

解いて洗い張り しみ抜きをした後 柄を伏せて地色を掛けました。そうすると 生地の質感までが変わってくるから 染め物は不思議なものです。

もちろん 柄の中も 入念な仕上げを施し アクセントとして 花びらに少し金を散らしました。八掛は 同系の濃いめで 締まった感じにしましたが 全体の調和としては まずまずの仕上がりかと思います。

30年の時代を超えて 現代風に甦らせるのは 月並みな加工では とてもおぼつきません。

構想、洗い、染め、金加工、仕立などの職人全てが 綿密な連携をとることによって 成せる技と思う 今日このごろです。

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