2006年4月のお手入れ品

想像と直感

刺繍丸帯鼓模様

リフォームのご依頼で品物を拝見した瞬間、ほとんどの場合、その仕上がりの姿が想像できます。しかしながら、お客様のご意向や予算、生地の状態などの諸条件によって、どこに落ち着くかが問題となってきます。

左の写真は、手刺繍の入った鼓模様の染め丸帯です。このままでは締めにくいのです。

傷んでいるたれ先の交換、太い界切り線、刺繍は写真右上の元の太鼓部分だけにあり、裏の幔幕模様も活用したい・・・等々 それぞれが頭の中を駆け巡っています。

果たして5つ、6つもの条件が全てクリアできるのでしょうか。そして、イメージを変えずに締められるような帯になるのでしょうか?

加工後

作り帯鼓模様

帯は太鼓が命です。ですから、鼓の柄が繰り返し出てくる中で生地丈の制約も考えつつ、たれ先との組み合わせが最も美しい部分を探しました。結果的には刺繍が上手く出ましたが、これはあくまでも偶然の産物です。

前の柄には裏の幔幕模様を使いましたので、変化に富んだ帯になったような気がします。

今回の加工は、直感が全てといっても過言ではありません。しかしながらその裏側には、これまで膨大な量の美術品や絵画を観てきたという、自信の裏打ちが少しだけあったからこそ成し得た仕事でしょう。

この帯が、東京から遠く離れた地で活躍していることを思うと、喜ばしい限りです。

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