2008年12月のお手入れ品

柄の調和

振袖の袖部分

抜ききれないしみをカバーするために、柄を足す作業。きもの通の方にはポピュラーな技術のように思われていますが、どっこい柄の勢い、色調等、そう簡単ではないように思います。

左の写真は、制作から半世紀はゆうに過ぎた振袖の袖部分です。柄の丸みあたりに、かなり手ごわそうなしみが見えます。

生地の状態によっては、取りきれそうもない“しみ”。さてどのように柄を足しましょうか。

加工後

袖丸み部分の柄足し

私の説明よりも、まず右の写真をご覧下さい。

袖の丸み部分に足した柄の伸びと色合わせで、見事にしみが隠れました。もちろん、下準備の染み抜きが欠かせません。

しかし、不自然にならぬようバランスと 色を考え、離れた部分の柄を取り入れて、あたかも当初から柄があったように描く作業は、職人の修練の賜物と言えるでしょう。

本物の加工は、お客様と同様に私たちが見ても、見飽きません。

今年もご覧頂きまして、ありがとうございました。来年もより工夫した加工を、お目にかけたく存じます。皆様、よいお年をお迎えください。

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