2016年3月のお手入れ品

名古屋帯のデザイン

黒地羽織花の丸

着物は洋服ほど流行に左右されないものです。
しかし、最近見かけなくなったという品は確かに存在します。

そのひとつが黒地の絵羽織です。
その昔、卒業式や入学式の母親の着物姿には、これなしでは考えられないほどポピュラーな品でした。
ピンクや朱系、グリーン系ブルー系の色無地紋付き着物の上に重ねると、姿が良く映るのです。

着物で参加される方の減少に伴って、羽織姿も見かけなくなりました。
道行コートばかりに直しても能がありません。そこで当店に相談と相成りました。

御承知のように 羽織は着物と裁断が異なります。
ゴールは見えたものの その道のりはなかなか遠く・・・・・。

加工後

黒地名古屋帯花の丸

一般的に羽織は、「駒無地」という糸に撚りのかかった、さらっとした地風の生地を使います。
これは、染め名古屋帯に使う塩瀬羽二重に何となく似ています。
帯のイメージが湧いてきました。

一番大切な位置は お太鼓。修行中に教わったことを思い出しながら 構成します。 たれ先ともコラボさせましょう。

背の柄を前帯にして、手先にもちょっと覗かせて、どうやらバランスも取れたようです。

ところでこの裁断は、一体誰がするのかですって?
恩人である修業先のご主人と奥様の姿を思い浮かべながら、私が神妙に鋏を入れるのです。

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代表者   三輪 一夫

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