今年5月、東北地方の方からメールをいただきました。
「昭和初期(70年以上前)の祖母の羽織です。和服では無理といわれたものの、切って洋服にするのは忍びないので、なんとか着られるようになりませんか」というご相談でした。
宅配便で送っていただき、調べてみたところ小柄な方だったようで、当初は羽織だったものを着物に直してお召しになっていました。
所々傷んではいたものの、うまく生かせば再び羽織になると思いました。
ご了解を得て傷んだ所を共布で裏打ちの後、いつものように洗い張りから取りかかりました。
身巾的には、ご希望の寸法に仕上がると予測しました。ただ、衿丈が不足していたので首の後ろで接ぎましたが、目立たないようにしてあります。
また、生地が少々薄めでしたので正絹羽二重の羽裏を合わせて裏から支えてもたせています。
牡丹の柄と霞ぼかしで、派手さとバランスも考えました。
お祖母様の思い出の品が、お孫さんの着物としてよみがえりました。
袖を通すことによって、お祖母様と語り合うことができるでしょう。
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