正絹の生地を染料に漬けると、全て無地に染まります。
しかし、漆で作った糸で柄を織り込んだ品物(縫い取り)は、うるしが水をはじくために地色だけが染まり柄が残ります。
写真の反物は昭和30年頃に作られた品物で、最初は白地で織り上がったものをワイン色に染めて着物になっていました。(写真は洗い張り後)
いただいた方から「少し派手なので、黒地にしてほしい」とのご依頼を受け、取りかかりました。
右の写真のように柄はそのまま残って黒地となり、シックな感じに変わりました。 八掛(裾布)を取り替えて着物に仕立てると、染め直しには見えないと思います。
このように、色かけをする場合(私たちは”色揚げ”といいます)に大切なポイントは何でしょうか。
それは生地の特徴を生かすと共に、基本的には薄い色から徐々に濃い色にしていくことだと思います。
加えて寒色と暖色の系統を変えないことが、楽しむコツかもしれません。
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