先月は うるしの美として、黒地の色揚げをご覧いただきました。
ところが、すでに黒く染まっているものは、これ以上色は変えられません。そこで今月は形のバリエーションをお見せしましょう。
左の写真は、今から30年ほど前にお納めした黒地の縫い取り羽織です。
最近は室内が暖かくなって羽織を着る方が減りました。しかしながら私は、春や秋、季節の変わり目の羽織姿は本当に美しいと思います。
今回は裏地も少々派手になり、道行衿のコートに直すことと相成りました。
その昔、一反の反物から身丈が短めの羽織を2枚作る“半反羽織”が流行したことがあり、その衿は半巾で作られていました。
羽織をコートに直す場合、羽織の衿が一巾(反物の巾)あるか無いかが重要なポイントです。 半巾ですとコートの立衿分の生地が不足しますが、今回は一巾で縫ってありましたので事なきを得ました。
羽裏は柄に合わせて羽二重ベージュ色丸紋模様に取り替えました。
この先20年は 大丈夫でしょう。
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