明けましておめでとうございます。
2002年も様々な加工をご覧に入れたいと存じます。よろしくお引立ての程、お願い申しあげます

2002年1月のお手入れ品

帯の究極

綴丸帯刺繍孔雀模様

“帯の最高級品とは”と尋ねられたら、私は迷うことなく“つづれ帯”と答えます。

最も原始的な織り方でありながら柄の出し方は自在、糸を細くすれば細かい柄も思い通りで別誂えも簡単。しかし、大変手間がかかるので値段はかなり高価です。

左の写真は、そのつづれの無地に孔雀の刺繍を施した丸帯(両面使い)です。
重い上に柄が逆さまでは気軽に締められない、何とかして欲しいとのご依頼です。切って接ぎ直し、裏地を付けて袋帯にすることにしました。

しかし、恐ろしいほどの重厚な手刺繍。代わりがないだけに裁断はさすがに緊張しました。

加工後

刺繍袋帯

ふつう丸帯は袋帯より巾が2㎝ほど広いので、真半分に切っても両側に縫い代があります。しかし、この帯はすでに袋帯の巾に直してあった為、輪になっている所の縫い代がありません。
それ故、柄の構成をして裁断の場所を決め、裏側まで繰り越して縫い代を取りました。

これが実に難しく、その上、切った所の糸はセーターのようにどんどんほつれてくる始末。帯職人さんは裁ち目を糊で固めて接ぎました。裏地は同色の正絹錦地の通しを使っています。

出来上がった帯は、お太鼓の柄もきっちり決まり、上々のできばえとなりました。

めでたし、めでたし。

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