明けましておめでとうございます。
2002年も様々な加工をご覧に入れたいと存じます。よろしくお引立ての程、お願い申しあげます
“帯の最高級品とは”と尋ねられたら、私は迷うことなく“つづれ帯”と答えます。
最も原始的な織り方でありながら柄の出し方は自在、糸を細くすれば細かい柄も思い通りで別誂えも簡単。しかし、大変手間がかかるので値段はかなり高価です。
左の写真は、そのつづれの無地に孔雀の刺繍を施した丸帯(両面使い)です。
重い上に柄が逆さまでは気軽に締められない、何とかして欲しいとのご依頼です。切って接ぎ直し、裏地を付けて袋帯にすることにしました。
しかし、恐ろしいほどの重厚な手刺繍。代わりがないだけに裁断はさすがに緊張しました。
ふつう丸帯は袋帯より巾が2㎝ほど広いので、真半分に切っても両側に縫い代があります。しかし、この帯はすでに袋帯の巾に直してあった為、輪になっている所の縫い代がありません。
それ故、柄の構成をして裁断の場所を決め、裏側まで繰り越して縫い代を取りました。
これが実に難しく、その上、切った所の糸はセーターのようにどんどんほつれてくる始末。帯職人さんは裁ち目を糊で固めて接ぎました。裏地は同色の正絹錦地の通しを使っています。
出来上がった帯は、お太鼓の柄もきっちり決まり、上々のできばえとなりました。
めでたし、めでたし。
呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者 三輪 一夫
Tel&Fax03-3372-0573
mail@gofukumiwaya.com