思い出の多い御祖母様の羽織なので処分するには忍びなく、しかし細工物に切るのはちょっと・・・、何とか活かせませんか?というご依頼を受けました。
生地の巾が足りない為に道行コートにはならず、検討の結果、名古屋帯が浮かんできました。
ご覧のように、柄は菊花、笹、カスミ草の順送りの小紋です。
いつものように見えないところで接ぐ必要がありますが、皆様はどのような柄付けを想像されますでしょうか。
メインは菊花、これは外せないと思います。そして、たれ先には草を出してメリハリを付けたい。
この場合のポイントはカスミの位置にあると考えました。出すのは太鼓とたれ先のどちらか1ヶ所だけ、しかもできるだけ上に出したい。
そんな柄の構成が決まった時点で、それぞれを金銀で仕上げしてボリュームを出すようにしました。仕上がりは芯もしっかり入って、名古屋帯らしくなったと思います。
違和感のない自然な柄付けとは何でしょうか。
その答えは多くの展覧会で出会った作品の中に隠れていると信じています。
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