着物に限らず洋服でも、久しぶりに出してみたら大きなシミが・・・。しまうときは気づかなかったのだけど。こんな経験はどなたもお持ちでしょう。 それ故、着物の場合は早めに箪笥から出して、調べていただくことをお薦めしています。
しかし、変色がひどいとそう簡単には取れないことも多いのです。
左の写真は、右の外袖上部の白い花の間に茶色いシミが付いています。このままではとても着られないので、何とかしてほしいとのご依頼で取りかかりました。
職人さんに見せたところあちこちにシミがあり表面からでは取りきれるか微妙なため、万全を期して解いて反物の状態にして洗い、仕立て直すことと相成りました。
「シミは何か」しみ抜き作業では大変に重要な問題です。
それが分かっていればかなり楽になります。ところが、何だか分からない場合作業は非常に困難で、試行の連続。気が付いたら夜が明けていたなどというのは日常茶飯事だと、職人さんは何時も言っています。
つまり、技術もさることながら根気、体力も芸の内なのです。体調がすぐれなければ決していい仕事は出来ません。
ホームページ開設以来、しみ抜きのご相談もたくさん受けました。生地が弱っている場合はお断りしましたが、それ以外はほとんどお受けして仕上げました。
素晴らしい技術を持っているのに無名で人前に出るのが大嫌い、取材は一切お断り、気むずかしくて少々偏屈。着物の世界はこんな人たちによって支えられています。
3ヶ月後、この訪問着も美しくよみがえり、依頼者が「シミはどこでしたか」と言うほどの出来映え。たいしたものです。
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