久しぶりに箪笥を開けて着物を出してみたら、脇のあたりに大きな茶色いシミを見つけてビックリ・・・。しまう前にしっかりチェックしたはずなのに何故? よく頂くご相談です。
結論から申しあげると、犯人は“汗”です。目には見えませんが含まれる塩分等が悪さをするのです。
汗の成分はその方の体質によって様々ですが、服用したり注射した薬も一緒に出てきますから非常に厄介で、早い方は一度着たその日のうちに変色が始まります。
左の写真のピンクのしつけ糸に囲まれた中に変色があります。これが簡単には取れないのです。
シルクの白いブラウスで経験された方もいらっしゃるかも知れませんが、汗シミは放っておくと次第に濃くなってきて、生地が弱って腐食し、最終的に穴があいてしまう場合もあります。
また着物全体から見た時、この位置に茶色いシミが出ると衿肩空き(切り込み)から近い為ずらすわけにも行かず、柄足し位しか処置の方法が有りません。それ故、早めの汗しみ抜きが重要です。
今回の汗シミは5年以上放置されていた中ぐらいの状態でしたが、職人さんの「大丈夫でしょう」の声に後押しされて取りかかりました。全体洗いもして湯のしで巾を揃え、仕上がり具合は右の写真。
大した技術です。
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