2003年5月のお手入れ品

想い出を残す

水色華紋振袖

成人式に両親が誂えてくれた想い出のある振袖を、手直ししてお嬢様がお召しになる方が大変増えています。
今風の、華やかですが印刷したような振袖に比べれば重厚さが段違いで、帯や小物の組み合わせを工夫することをお薦めしています。

しかし、着る方がいらっしゃらない場合は皆様ならどうなさいますか。柄付けが大きいので袖を切る訳にもいかず、染め直しや色揚げも芳しくありません。

でも細工物にするのは忍びなく、何とかご自分の身に付けたいとのご希望です。

うーん・・・・・・これには困りました。

加工後

華紋付け帯

金の華紋に着目して、作り付け帯に加工するという結論に達しました。しかし、上の写真でも分かるように袖は金箔のみで刺繍が無く、太鼓にするセオリーが使えません。

次善の策として身頃を使うことにしましたが、あいにく縫い込みの中まで刺繍がなく、職人さんに依頼して似た金の色で縫い足してもらうこととしました。 また、薄い水色地のため元の縫い目に色やけがあり、これも補正しました。

見えないところで接ぎを入れてある作り帯ですが、どうやらお客様のご要望はかなったようです。

めでたし、めでたし。

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