最近は、ウェブ上でもお手入れのページが増えてきたようです。
着物リフォームの流れが次第に大きくなって来たからかもしれませんが、喜ばしいことです。
その中でよく取り上げられる「柄足し」。以前にも申しあげましたように、ただ足せばいいと言うものではなく、位置と状況、柄の流れ、ご予算等を総合的に判断して時間を掛けての作業が不可欠です。
左の写真は檜扇模様の振袖の胸部分ですが、裄が長いため柄が切れてしまいます。金の色も千差万別ですし、絞り模様を描くのも並の腕では困難です。
さて今回の結末は・・・。
厳密に申し上げれば柄のずれは多少あります。しかし袖付けの場合は、色が合わせてあればあまり目立たない部分なのです。
全体の感じとしてこのくらいの仕上がりならば、お召しになってもまず問題ないでしょう。もっともこれは長年の勘でもありますが。
柄の接続(絵羽付けと言います)がある場合、反物の状態で職人が推測で柄足しをするのが普通です。
しかし私は何時も、裄や身巾を合わせて仮縫いをする作業を経て加工を依頼しています。
この和裁士の手による「ひと手間」を掛けるかどうかで、仕上がりが大きく変わってくるのです。
ある意味で私自身との闘いかも知れません。
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