2004年2月のお手入れ品

名古屋帯から袋帯

名古屋帯鼓模様

連載を始めてから早いもので51回目となりました。今回のテーマを御覧になったお客様の中には、きっと、「逆じゃない?」とご心配になった方もいらっしゃるでしょう。

普通ならば袋帯が重いので、一重太鼓の名古屋帯に直して軽く締めたいとなるわけです。しかしながら、左の写真は元々丸帯を直した品で、名古屋帯の返り分(お太鼓の裏側)がつながっています

その上、時間的経過で仕立てがずれており、解いて仕立て直しが最適と判断しました。

前置きはともかく果たして上手く行くのでしょうか?

加工後

袋帯鼓模様

織物には 送り(柄の繰り返し)があります。この帯の場合は、黒の鼓と金の檜扇の順送りです。

袋帯を加工する場合は、まず二重太鼓の部分に出る柄のバランスを考える事が第一となります。次に前帯の部分も考慮します。なかなか頭を悩ます作業ではありますが、上手くいったときの達成感は何とも言えないほどです。

裏地を新しくして上質の帯芯を入れて仕立てれば、袋帯の完成、、、、おっと一番大切なことを忘れていました。半巾部分を広げたときの折れ目を消す洗いです。

当然の事ながら、普通に洗っただけでは帯地の折れなどまず消えません。しかし、依頼した職人さんはたいていのものは消してしまいますから大したものです。
もう足を向けて眠れませんね。

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