暦の上では弥生、次第に日差しも強くなり春の気配を感じる様になりました。
左の写真は春にふさわしいさわやかな配色の小紋ですが、仕立て直しの依頼を受けました。
このまま洗い張りをして前通りに仕立てるのは、花が横に並んで面白みにやや欠けると思い、より豪華な感じにというご希望で少し工夫を凝らしてみました。また、柄の向きもちょっと気になるところです。
さて、どのように変化させましょうか?
最初にこの着物を見た瞬間、袖山と肩山で柄が振り分けてあれば、より格調がでると思いました。それにはもう一度、柄の向きを出来る限り配置し直し、上向きの椿と竹の葉を選んで金の加工を施すのが良いのではと考えた次第です
それゆえ、お客様が着たときの姿を想像して、まず上前、後身、衿から胸そして内袖、右肩から外袖と、各位置の柄のバランスと流れを再検討しました。
正直なところ、それは考えすぎで写真から見ても大差ないのではというご意見もあるかも知れません。しかし私は限られた条件の中でも、初めに染めた職人さんの主張を出来るだけ再現したいといつも思っています。
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