2004年6月のお手入れ品

涼しさの表現

絽小紋藤色石竹模様

今日から6月、着物は裏地が取れて、ひるがえる裾も軽やかになります。今月下旬にもなれば先取りで絽の着物を見かける様になり、夏らしい模様が見る者に涼しさを感じさせます。

左は絽小紋で石竹を描いていますが、今ひとつ染めに締まりがなく、インパクトに欠けているように思います。何かひと工夫をして欲しいとのご依頼で頭をひねることとなりました。

目指すのは、私が学んだ名古屋風に言うと“お値打ち”で効果的な加工です。

さて、どうしましょうか。

加工後

銀加工後

涼しさの表現は金よりも銀という理由で、 柄の流れに沿って花びらを銀線でくくってみました。写真の上前部分だけでなく、全体の要所(胸、肩、袖、後ろ身等々)をバランス良くひろってあります。

この加工は解かずに出来ますので、手早く格調を上げるには最適の方法のように思います。

わずか一手を加えるかどうかで雰囲気が変わってくるのですから、悉皆(しっかい=ことごとく皆全て)加工は何年やっても奥が深いと感じますね。

呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者   三輪 一夫

Tel&Fax03-3372-0573
mail@gofukumiwaya.com
無料相談会