2005年12月のお手入れ品

リスクを減らす

試し染めと本番

「誂え染めは出来上がるまでが心配なの」よく聞く声です。 頼んだ色と違う、感じが想定外だ、そんな危険も確かにあるでしょう。しかし、思っていたよりも良くなった、予想外に柄が引き立ってきたという場合もよくあるのです。

左の写真は白地に菊を詰めた小紋ですが、白が次第に派手になってきたので、全体を少し渋くして欲しいとのご要望です。長くお引き立ていただいているお客様ですが、いくらなんでも一発勝負は危険すぎるので今回も試し染を行いました。
小紋なので柄伏せは行わず(コストがかかりすぎるため)、共布に比較のための白生地を足し、もっとも調和が取れそうな薄い藤色がかった鼠色を引きました。(上と下で 2色出してあります)

その結果、お客様は明るいほうの地色を選ばれました。するとどうでしょう。白地では目立たなかった胡粉で塗った菊がぐっと浮き上がってきたのです。(シベの点全て) 出来上がった着物はより遠近感が現れ、本当の逸品になりました。
オリジナリティあふれる着物の生活を楽しむためには、時に、少しだけの冒険も必要なようです。そんな方の水先案内が出来れば幸せです 

本年もご覧頂きましてありがとうございました。皆様どうぞ、良いお年をお迎えください。

呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者   三輪 一夫

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