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誂えの美

お客様からのご信頼無しには製作できない別誂え品。

入念な構想、下図、生地選定、下絵付け、地色決め、配色と皆さんが想像される以上に数多くの工程を経て、着物に近づいていきます。そして、お客様の希望を出来るだけ多く取り入れ、より斬新な、すっきりしたものに仕上げたいという気持ちは、仕上がってお客様のお手元に届くまで、片時も心から離れません。

ところが、たとえば柄付けひとつをとっても、仮にどんなに時代が変わっても、私にはありえない付け方が巷には氾濫しています。

世間では信頼のかけらも無い「粗悪」のニュースで持ちきりです。そして見渡してみれば、果たして着る人のことを考えているか、１０年１５年先を想像しているか疑わしい、そんな着物も大手を振ってまかり通っている今日です。しかし、少なくともご縁のあるお客様には、「三輪屋に頼んでよかった」といわれるような仕事を今年も行いたいと思っています。