2007年5月のお手入れ品

単衣から袷(あわせ)

単衣訪問着グレー

桜の花もあっという間に通り過ぎ、新緑の季節となりました。着物も衣替えが近づき、間もなく裏のない単衣のシーズンを迎えます。

一般的には袷の着物を洗い張りして裏をはずし、単衣に仕立てるのが普通です。テーマがさかさま?

しかし、暦では単衣は6月と9月の2ヶ月だけ。単衣の着物を頂いた時、着るチャンスを増やすために裏をつけて仕立て直す事もよくあるのです。

左の写真はお母様の単衣の付け下げ訪問着です。汗しみ等もあるため、洗い張り浸み抜きをした後に八掛と胴裏をつける予定です。
さて、何色の八掛ををつけましょうか。

加工後

袷訪問着グレー

付け下げや訪問着の八掛は地色や差し色の同系をつけるのが基本です。フォーマルな品物の場合、あまりかけ離れた色にすると、着用した際に人の眼が八掛ばかりに向いてしまい、品がなくなると修業中に教わりました。

今回の場合は柄がおとなしく上品なため、地色の同色にして柄を引き立てようと思いました。生地の地風が異なるため全く同色にするのは困難ですが、八掛用の白生地を別に染めて胴裏とともに使いました。

返っているおくみ部分の角を見比べて頂くと、裏が付いた事がお分かりいただけると思います。

お客様の状況に応じて、常に臨機応変な対応と”ひと捻り”を心がけています。

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