今月は夏休みを頂き、リフォームのページは休ませて頂きます。
私は上方の落語家、桂文我師のファンで(その師匠の故 桂枝雀師も含めて)機会を見つけて独演会に足を運んでいます。師匠はマスメディアにはあまり縁が無く、全国津々浦々を回って小さな会を開き、子供から大人まで腹を抱えて笑える落語を一生懸命に演じています。
身振り手振りも含めて、観ていると思わずその世界に引き込まれますが、客にこびる事が無いのに爆笑の連続。見終えたあとは爽快な気分にさせてくれる数少ない落語家と思います。
先日、とあるお寺のホールで、同じく上方の落語家の独演会が開かれると聞き、期待を持ってでかけました。自分の中では、文我師ひとりの笑いに染まるのも偏り過ぎかもという考えもあったのでしょう。
まずは開口一番、テレビで見かける弟弟子です。画面ではなかなか面白いと思っていましたが、生で見るとなぜか微妙に間が違い、私にはどうも笑えません。そのまま、盛り上がりも中程度でいよいよ主役登場。上方特有の元気のよさで周りは笑ってはいるものの、どうしても私は自然に笑えないのです。仕方なく中入り前に早々退散と相成りました。
騒々しいだけで爽快感など皆無、ひとり駅に向かって歩く中で色々と考えました。芸の好き嫌いは別として何が違うのか。
私の結論は自然体。つまり、むやみに力を入れないのが本当の芸ではないかということです。
着物の世界も全く同じでしょう。無理な配色、無理な柄付けや無理な販売等々は長く続く訳が無く、見飽きるような品物では陽の目を見ずに箪笥の肥やしが関の山です。
私は無名でも、お客様に心から喜んでいただける自然体な仕事を続けていきたいと思っています。
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