起源は大変古いですが裏も使えるつづれ帯、中でも最もポピュラーなのは、かがりの名古屋帯です。八寸名古屋、袋名古屋帯とも呼ばれ、真夏以外に重宝する品です。
しかしながら締める回数が増えれば汚れるのが常、今回も裏返す事となりました。
左の写真は手先部分を裏返したものです。きれいですが、霞模様を織り出す糸の切り替わる部分で、その端が裏側に多数出ています。
糸を始末しないとこのままでは着用できません。
私がハサミで切り落としましょうか!?
裏返しをして金の界切り線で端を縫いこみ、手かがり仕立てが完成しました。ところが、たくさんあった糸の端が全く見当たりません。
もしや織物の整理屋さんで、一つ一つ切り落としたのでしょうか。
正解は、切ったのではなく反対側に突き出したのです。ですから、上の写真では手先部分のブルーの霞付近に見えている糸も、裏に回って平らになりました。
西陣まで往復の旅をした帯が、また活躍の場を得たようです。
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