おかげさまで100回を超えたお手入れ品の中で、もっとも難しかったものは何でしょうか。バックナン バーを振り返ってみますと、ずいぶん色々なご要望に応えてきました。
作られてから半世紀以上も経つ品、生地がすっかり弱った品、丈不足だったり他店で断られた品等々、簡単に答えが出ない品物の連続でした。
中でも難しさで5本の指に入るもの、それが今回のお祝い着です。
化繊の白地にミシン刺繍で花車が縫ってありますが、全体に茶色のしみが現れています。無数にあるので出来るだけ抜いてから色を掛ける、そんなストーリーを組み立てま したが・・・。
裾の朱色とバランスが取れる濃さで系統が似た朱色(面積の比率も考慮して)を指示しました。
口で言うのは簡単ですが、色見本帳の約10000色から探すのは本当にデリケートで体力と根気のいる作業です。
化繊の染み抜きも盛り上がった刺繍の糊伏せも、地色の定着も相当の技術を要します。
そして、ようやくたどり着いたのが右の写真です。
これからもがんばっていかなくては。
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