2008年10月のお手入れ品

予測と決断

スワン模様着物

白生地は、織られた時代によって巾が異なることは以前にも書きました。
裄が短い場合、紬や小紋ならば「切りばめ」も考えられるものの、訪問着ではちょっと無理です。

左の写真は鳥模様のぼかし上げ着物ですが、時代ゆえお客様には裄が足りません。

解いて、生地巾を無理に伸ばしても戻るのが関の山です。
ここは三輪屋の思案のしどころです。

加工後

スワン模様訪問着

立てた方針は、新しい縮緬生地を同じ色に染め、裄の不足を新しい袖(袖巾)で補うというもの。

しかし、肩と袖は隣り合わせなので厳密に色を合わせる事は至難の業です。そこで、敢えて肩部分よりも濃い、裾模様の中の色で無地に染めて、柄も散らすことを考えました。

と、口で言うのはたやすいですが、昭和時代の生地を袖分だけ探し、色と模様を合わせることができるかどうか不安がよぎったのも事実です。

数ヵ月後、懇意な生地屋さんと染め職人さん、そしていつもの和裁士さんに感謝、感謝 。

呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者   三輪 一夫

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