2009年8月のお手入れ品

プロの仕事

今月は夏休みを頂き、お手入れ品のページは休ませていただきます。

ある時、日本舞踊の切符を頂いたので国立劇場に出向きました。街のお師匠さんが、お弟子たちと共に開く小さな会です。
素人の方の踊りはご愛嬌もありますが、地方(じかた=伴奏)は邦楽家の生演奏ですので結構楽しめるのです。

途中、「雷船頭」という男性演ずる女船頭と雷さんの掛け合い舞踊がありました。もちろん主役は船頭ですが、着ぐるみのユニークな雷さんを演ずる賛助出演のプロの舞踊家の踊りが、手の先がやわらかくて軽く、しかも大きくて実にうまいのです。
私はいけないとは思いつつも、ずっと雷さんばかり見ていま し た。

そして最後は会主の舞台です。しかし、いつもとは全く様子が異なり、どうも足元がおぼつかず立っているのがやっと。異変を察した後見がうまくフォローするのですが、それはメイクを落とした先ほどの雷さんでした。

50回という大切な節目の会の長い演目で、体がいうことをきかない会主に声をかけて励まし、踊りのきっかけを知らせ舞台全体に眼をくばり、用がなくなれば何事もなかったように消える。
舞踊を知り尽くした上で、傍らの三味線方、唄方と共に必死になって手助けする姿にプロの魂と凄さを見ました。

無名でも本職は素晴らしい。こうありたいものです。

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代表者   三輪 一夫

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