写真は上品な加賀調の訪問着ですが、点々とした妙なシミを発見。
食べこぼしにしてはバランスが良すぎ、どうも流水の柄の様に見えます。
職人さんに調べてもらうと、柄の胡粉(蛤の粉)の糊が変色したとのことでした。中央右には、当初の白胡粉の模様が残っています。
元々白いのですから、上からもう一度白く重ねて塗ってみれば、、、、と 軽く考えていたのですが。
それは大きな、大きな誤りでした。
浸み抜きをせずに上塗りだけをすれば、とりあえずその場は収まるに違いありません。しかしながら、その反動は5年、10年後に必ずや現れます。
茶色のしみはカビですので、白く上塗りした胡粉をも浸食し元の木阿弥。
解いて両面から洗い、元の糊分を落とし、そして再度描き直して最初の姿に復元。
手間はかかりますが「久しぶりに開けたらびっくり」という悲喜劇は確実に防げるのです。
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