暑かった夏もようやく峠を越え、庭では虫たちも鳴き始めました。
写真は白地絽名古屋帯の虫籠模様です。柄が天地になっているのは、おそらく丸帯を直したものと推察されます。
しかしながら、このままでは丈も短く、どうも締めにくいのです。
それではご希望に沿い、切り替えて作り帯にいたしましょう。
今回ご覧いただきたいのは、天地する加工よりもこの刺繍の素晴らしさです。
白の生地に総刺繍の模様。まるで生きているような虫の姿、虫籠の立体感、紫の房の重厚さ、背景の秋草のバランスの良さ。
まさしく一幅の絵になっています。
時代、それも戦前の品物ならではでしょう。扱えて幸運でした。
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