昭和30年代の着物の全盛期には、今からでは想像もつかないような豪華な品物がたくさんありました。
写真は、鶸色羽二重に刺繍だけで檜扇を描いた染め丸帯です。裏側にも松皮菱の柄があります。
時間の経過で仕立てがずれた上に、名古屋帯にはちょっと長く袋帯にはやや短いという微妙な柄の構成です。
この場合の処方箋は、いったいどのようなものでしょうか。
お客様のご希望がまず第一で、今回は表裏2本に分けたいとのこと。
そうすると新しい裏地が必要ですが、既製品などあるわけもなく、羽二重の生地を同色に染めました。
お太鼓と前の間隔も調整し、全体の長さも名古屋帯に合わせてあります。
残念ながら私の写真が下手で、地色が出ませんでした。どうかイメージで刺繍の技をご堪能下さい。
裏側は次回、来月に。
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