2011年6月のお手入れ品

半世紀を一っ飛び

縮緬白生地

写真は、おそらく私が小学生の頃に織られた正絹縮緬の白生地です。それは生地の様子、印、包装紙で推察されます。

もうひとつの判断材料は生地の巾です。時代の平均身長や裄と共に巾が広がってきて、現在は1尺以上(38㎝)ですが、これは9寸5分(36cm)にも達しません。

当然のことながら、時間の経過を感じさせる生地の黄ばみもあります。

縮緬生地で巾が狭めなのに、お客様は大柄で裄はぎりぎり。
さて、何に染めましょうか。

加工後

縮緬藍色小紋

その答えは、巻き見本による小紋単衣着物でした。
今はやりのプリントではなく、型紙を使った手作業です。

細かいことですが、袷よりも単衣の方が袖口の縫い代が少ないのです。仮に多少詰まったとしても、裏がない分ちょっと安心。

単彩の涼しげな柄を選んでいただきました。

結果的に、半世紀前の生地とは思えないような仕上がりとなりました。

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