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古書から蘭

新年にふさわしい、おめでたい品をご覧に入れましょう。

写真は資料として保存してある、昭和４年発行の目録の古書です。
水墨画で蘭を描いています。

お客様のご要望は、こんな感じでローケツ染めの羽織を作ってほしいというもの。

地色は藤紫色に決めましたが、正直なところ、ローケツはなかなか難しい染めです。
さて、どうなりますか。

加工後

蘭は四君子の一つ（蘭、菊、竹、梅）で、香りと気品を備え、着物によく描かれます。

今回の場合は、いかに伸びやかさを出すかがポイントでした。しかし、紙ではなく生地に蝋を置くのですから、話はそう簡単ではありません。

濃淡のバランスや柄の配置にも工夫が必要です。

幸いにも職人さんのチームワークで、上品な羽織が完成しました。
ありがたいことです。