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裂けた丸帯

早かった２０１２年も、いよいよ残り少なくなりました。来たる新年は、平穏であってほしいものです。

今回のご依頼は、裂けてしまった丸帯の補修です。

普通に締めれば、写真のように鶴の模様はさかさま。たれ先を引き抜かない締め方をしても、模様を出すのに一苦労するのが常。 時間の制約があれば、なおさら力が入ります。

御親戚を巡りめぐって幸せを招く帯なので、これは一大事です。
さて、今回の処方は・・・。

加工後

普通の帯より４０センチほど短いのが丸帯です。その上、たれ先に裏側の模様を合わせます。

それゆえ、お太鼓だけは表裏を入れ替え天地して、自由に調節できる自由型の作り帯に直しましょう。

破れた部分は裏から張り合わせた上、手刺繍で同じ模様を施します。結果的に、技術はアクシデントを乗り越えます。

拡大しても、ほとんど分からない出来栄え。またきっと、御親戚の間を巡り続けることでしょう。

今年もご覧いただきありがとうございました。
皆さまにとって来たる年が、どうか佳い年になりますように。