早いもので皐月5月、すがすがしい季節です。
そろそろ裏地のない着物の出番を迎えます。
そんな時に重宝するのが博多帯。
袷だけでなく、単衣の紬や小紋に合わせるとしっくりきます。
しかし、お太鼓の右側と左上に目立つ茶色のシミが見えます。
時間の経過したシミで、かなり劣化している様子です。
たれ先の無地は関西でお作りになったことを推察させます。
しみ抜きが困難な帯、さて、どんな感じに直しましょうか。
博多帯は紋織なので柄の繰り返しが幸いしました。
太鼓とたれ先の間の、きれいな部分を出しましょう。
お腹の前に来るところも切り替えて、反対側を出します。
全ての構成は私の仕事となります。
裏側に白く見えるのは木綿の紐。
二つに折った時に押さえるため、付ける位置を調整してあります。
今回の加工は仕立ての際の接ぎの巧拙が全てです。
何事も無かったかのように軽くこなす職人さんに、ただ感謝です。
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