暑い毎日が続いておりますが、皆様お変わりございませんか。
今月は夏休みを頂きまして、リフォームのページは休ませて頂きます。
最近、セラピーが流行しています。治療術といった意味でしょうか。
昨日新聞で茶の湯セラピーというものを知りました。
和ろうそくを灯した部屋にお香を焚き足を楽にして、師範の点てるお茶を服するとのことです。
ストレスで傷ついた心や、鈍った感覚を回復させる効果があるらしいのです。
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感を駆使して楽しむものだといいます。
この記事を読んだ瞬間、着物のことが頭に浮かびました。
視て楽しみ、絹の音を感じ、手触りで幸せを感じる。父母の品を一つでも身に付ければその温もりを感じ、そしてコーディネートによる周囲の感嘆、お褒めの言葉を頂く。それはまさしくセラピーそのものです。
そのお姿で食事に行けば親切に応対されて、味覚、嗅覚もクリアできます。
明治大正の方々は親からその「癒す力」が伝わっていました。
残念ながら平成に変わると共に「高価」だけが独り歩きし、本来の姿とは微妙に違ってきたことは否めません。
作家を祭り上げた業界人もその責任の一端はあるでしょう。
祖母や祖父からの品、父母が身に着けていたもの受け継ぐことがどれほど心を癒すか。
理屈ではなく、身に纏った者だけが味わうことができる特権、ステイタスそのものです。
最近、お母様の振袖をリフォームして着る「ママ振」という言葉が流行っているそうです。
それは半世紀以上前、父の代から行っている加工で、こうしたネーミングが付くのはありがいことです。
しかし、世間で思うほど容易な作業では決してなく、真に呉服屋の実力が試される加工です。
その期待に十分応えられるように、今後も研鑽を積まなくてはなりません。
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