2015年9月のお手入れ品

名古屋帯の活用法

人形模様名古屋帯

暑かった夏も、ようやく過ぎ去ったようです。涼し過ぎると暑さが懐かしく思えて、笑えますね。

今回は、想い出の刺繍名古屋帯のリフォームです。生地のグレーの汚れが広範囲となり、シミぬきが困難な為です。

最も無難な加工はクッションで、木綿わたを入れて仕立てます。しかし、お客様は2枚作ることをご希望です。

お太鼓の活用は容易なものの、前帯は広げると柄が片寄っています。
ひとひねりが必要ですが、さて如何しましょうか。

加工後

接ぎ入りクッション

解いてみると、前帯の柄のすぐ上が生地の耳でした。真ん中に配置するには接ぎをしますが、縫い目の片寄りはどうもいただけません。

そこで直下に、ダミーの接ぎを1本。出来てしまえば簡単そうに見えますが、ど真ん中に出すのは意外に難しいものです。

この裁断は誰もしてくれません。私がハサミを入れることが必要です。余裕分をみて裁断、仮縫いして仕立て屋さんへ。
仮縫いが出来上がればそこは8合目、頂上はもうすぐです。

かわいい品ができました。

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