2015年12月のお手入れ品

地味から派手へ

縮緬訪問着御所模様

師走の声を聞くようになると こっくりとした色が引き立ちます。
陽の光によって感覚が変わるのは 不思議ですね。

左の写真は 茶色縮緬、グレー線上がりの訪問着です。
絵画のような立派な模様が描かれています。

しかし、頂いたお客様には 少々渋いようで 染め直しのご相談を受けました。
でも、これだけ地色が濃いと 染め直しは困難です。

こんな時は 果たしてどうすれば良いのでしょうか

加工後

縮緬訪問着加工後

写真の撮り方で 地色が変わって見えることをお許し下さい。

派手にするには箔加工と刺繍です。 そこで 茶色と合う金箔と白で グレーの部分を埋めてみました。

もちろんベタではなく 交互という感じです
花の部分の輝きは 同系やや派手目な刺繍糸によります。

全体の姿を想像し バランスを第一に考えて 構成しました。
なめらかな箔と糸の輝きは 立体感をもたらします。
デジタル全盛の中の超アナログですが 着映えする着物となりました。

今年も ご覧いただき ありがとうございました。
皆さまにとって 来たる年が どうか佳い年になりますように。

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