2016年8月のお手入れ品

仕事を楽しむ

例年以上に暑い日が続いておりますが、皆様お変わりございませんか。
今月は夏休みを頂きまして、リフォームのページは休ませて頂きます。

東京駅からタクシーに乗り、行き先を半蔵門の「国立演芸場」と伝えた時、「ヨシ、さんまだ」という運転手のつぶやきが聞こえたと永六輔さんが言っていました。
何の事かと尋ねたら、今日の夕食は演芸場近くの和食店で「サンマ」に決めたとのこと。なんでも都内には10か所くらい好みの店が決めてあって、日替わりで流すコースがあるそうです。きっと車が置けて、料理も美味しいのでしょう。

私の場合は、美術館と喫茶店が気になります。遠出の場合は立ち寄り温泉に浸かったりすることもしばしば。

例えば下町に出ると、隅田川のそばに立ち寄る喫茶店があります。
とても清潔で上品な店にも関わらず、なんと日雇い労務者の簡易宿泊所に囲まれ、その環境はお世辞にも良いとは言えません。
しかしながら、いつもテキパキとしたサービスと暖かな雰囲気、そして目の前で淹れるコーヒーの味とその喉ごしは、おそらく都内でも、いや全国でも屈指ではないかと思うのです。
それは全国から修業に来ている従業員が多いことでもわかります。
コーヒー好きの私は、立ち飲みから専門店と呼ばれる店までさまざまな場所で味わいますが、当然のことながらその風味も千差万別。
しかし、好みはいつもこの店を基準に考えて、接客の方法も参考にさせてもらっています。

着物の世界は、そのお店の屋号に因んで○○好みとよく言われます。
三輪屋の原点は修業先の主人+父親+美術館。加えるスパイスは歌舞伎と落語でしょうか。
スマートフォンで関西のFMを流し、時には上方落語のCDを聴きながらお客様や職人さんの所に動き回ることは、全く苦になりません。

初めて伺うお客様の所で初めて見る着物の楽しみ。
どのように直すか想いを巡らす楽しみ。
裏地、帯、小物のコーディネートの楽しみ。

楽しんで仕事をすること。きっとこれも自分の型なのでしょう。

呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者   三輪 一夫

Tel&Fax03-3372-0573
mail@gofukumiwaya.com
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